
人を追い詰める2つのプレッシャー
私は自分の経験から、人が精神的に追い詰められる時には、大きく2つのプレッシャーがあると考えています。一つは対人関係、もう一つは時間のプレッシャーです。原因がこの2つだけだとは思いませんが、33歳でうつ病になった時の私には、その両方が重なっていました。
当時は液晶パネルの量産に関わる仕事をしており、納期が非常に厳しい状況でした。お客様から叱責されることもあれば、社内に戻ってからのものづくりの調整もなかなか進まない。若く、立場も弱い中で、本当に大変な時期でした。
今振り返ると、強い口調で接してきたお客様も、工場で「それはできない」と答えた方も、それぞれが大きな時間のプレッシャーの中にいたのだと思います。うつ病を経験したことで、相手の立場も考えられるようになりました。
量産現場と大学研究室、時間のプレッシャーの違い
現在は大学で学生を指導しています。企業にいた頃と大きく違うと感じるのが、時間のプレッシャーです。大学にも研究の締め切りや成果を求められる場面は多くあります。それでも、ラインが止まれば損失が直接生じる量産現場と比べると、大学には学生一人の成長を待てる部分があります。
研究成果が思うように出なかったとしても、研究に取り組んだ学生が成長し、社会で活躍してくれる。それも大学にとって大きな成果だと考えています。
得意なことを生かした、具体的で技術的な依頼
私の研究室に、プログラミングやものづくりが得意な一方で、人間関係にとても気を使う学生がいます。最近は、彼の得意なことを生かし、プログラミングや部品の製作など、少し具体的で技術的なお願いをするようにしました。
すると彼はその課題に集中して取り組み、週末を使って仕上げたプログラムの結果を、月曜日の朝一番に見せに来てくれました。学内の工房では技師の方と一緒にものづくりにも取り組み、数週間前とは顔つきが大きく変わっていました。ただし、元気そうに見える時でも無理をしている可能性はあるため、その点も気にかけています。
同じ目線で話し、まず話を聞く
研究室の人間関係のうち、少なくとも私自身の接し方は、私が変えることができます。そのため、できるだけ学生と同じ目線で話すこと、そして若い分、学生の方が進化したものを持っており、彼らの方が優れていると考えることを心がけています。
私は医療の専門家ではなく、学生の悩みをすべて解決できるわけではありません。それでも、時間がある時に話を聞くことはできます。これは、うつ病の時に話を聞いてくれた会社の看護師さんから学んだことです。
経営者・管理職の方へ
これは大学だけの話ではないと考えています。経営者や管理職の方が、社員や部下の様子に「何かおかしい」と感じた時、すぐに答えを出そうとするのではなく、まずその人の話を聞いてみる。それがとても大切なのではないでしょうか。普段は元気そうに見えていても、実は悩みを抱えている人は少なくないかもしれません。
La quaLabについて
La quaLab では、半導体製造技術や精密洗浄、静電気対策などを中心に、企業の技術開発や品質改善のサポートをしています。大学での研究と企業での実務経験を生かし、皆さまと一緒に技術課題の解決に取り組んでいます。お気軽にお問い合わせください。
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