
結論:伝統を守るために、最新技術を使う
京都の景観を守ることと、住む人が現代的で快適な暮らしをすることは、両立できるのではないか。家の中は最新でおしゃれでもいい。外から見える街並みは京都らしく。そのために、昔の技術に戻るのではなく、最新の木造・木質化技術を使うという発想です。
京都の街並みで感じた違和感
町家や瓦屋根が続く中に、突如として普通のマンションや近代的な住宅が現れる。京都を歩くと、そんな場面に出会います。ただし、京都はテーマパークではなく、一般の方が暮らす街です。住む人に「昔ながらの家に住んでほしい」と求めるのは違います。耐震性や断熱性が高く、快適に暮らしたいのは当然のことです。
進む木造建築技術
住友林業は、すでに多くの木造マンションを手がけています。耐火性能を持った木質部材「木ぐるみCT」を開発し、15階以上の中高層木造建築も可能にすると言われています。さらに「W350計画」では、2041年を目標に、高さ350メートル(地上70階相当)の木造超高層建築の実現を構想しています。
外から見える部分に京都らしい木を
京都に高層ビルを建てようという話ではありません。京都は建物の高さを抑える規制が多い地域です。だからこそ、現代の性能を持ちながら景観に溶け込む建物をつくることに、木造・木質化技術を生かせると考えます。
| 部分 | 考え方 |
|—|—|
| 構造 | 鉄筋コンクリートでもよい |
| 外壁・格子・軒・バルコニーなど | 外から見えるところに、黒っぽい京都らしい木を使う |
| 既存のマンション・住宅 | 大規模修繕のタイミングで、少しずつ京都らしい外観にする |
費用負担と投資の仕組み
課題はお金です。京都らしい外観にするための追加費用を、住民だけが負担するのでは計画は進みません。京都市は2026年度に、街の保全・継承だけで約4億6000万円(おおよそ前年の5倍)の予算を組んでいるそうです。それでも、街全体を10年、20年、30年かけて良くしていくには、もっと大胆な投資があってもよいと考えます。
例えば、清水寺から三年坂、二年坂、祇園までを広い景観エリアとして捉え、国や自治体、民間企業、さらには外資も含めたお金が入る仕組みをつくる。観光客は寺院だけでなく、京都という街そのものや、そこに暮らす人の幸せそうな様子を感じたいのではないでしょうか。観光で得られたお金を街に戻し、景観に再投資する。こうした取り組みは、全国に展開することもできるのではないでしょうか。
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