自動運転の時代、車は「持つ」から「呼ぶ」へ ―テスラのサイバーキャブと、車を持たない豊かさ


自動運転は、車の「所有」の意味を変える

自動運転が当たり前になったとき、車を所有する必要はあるのか。私は、技術の進歩は便利な製品を生み出すだけでなく、私たちの価値観まで変えていくものだと考えています。車を持っていることが豊かさだった時代から、車を持たずに自由に移動できることが豊かさになる時代へ。今回はその変化について、自分の体験を交えて考えます。

豊かさの象徴だった車

私はいわゆるバブル世代です。私たちの世代にとって、車は特別な存在で、所有すること自体に大きな価値がありました。車は単なる移動手段ではなく、自由や豊かさの象徴でもありました。

一方で最近は、特に都市部で、車を買わずに必要な時だけカーシェアリングやレンタカーを使う人が増えています。私の住む愛知県や地方では、まだ車は生活必需品で、車が好きな若い人も大勢います。それでも、「車は必ず自分で所有するもの」という価値観は変わりつつあると感じます。

所有に伴う負担:ドアパンチの経験から

私自身はテスラ Model Y に乗っていますが、車を所有すること自体には興味がなく、できるだけ持ち物を減らしたいと考えています。Model Y を選んだ理由の一つは、不要なものを徹底的に削ぎ落とし、重要なところに技術を集中させるというイーロン・マスクの考え方に共感したことです。

その Model Y が、駐車場でドアパンチに遭いました。隣の車のドアが当たり、後ろのフェンダーに小さな凹みができたのです。カーシェアやレンタカーでも、傷つけたら責任はあります。しかし、自分の車に傷がついた時の精神的なショックは別物でした。

| 車を所有すると背負うもの | 内容 |
|—|—|
| 費用・手続き | 車検、保険、メンテナンス、駐車場 |
| 心配 | 駐車中の傷、ドアパンチ |

ハンドルもペダルもない車、サイバーキャブ

テスラが発表したサイバーキャブは、自動運転を前提とした車です。ハンドルも、アクセルペダルも、ブレーキペダルも、ドアミラーもなく、最初から人間が運転しないことを前提に設計されています。

| | これまでの車 | サイバーキャブ |
|—|—|—|
| 前提 | 人間が運転する機械 | 人間を目的地に運ぶ機械 |
| 使い方 | 自分で所有し、自分で運転する | スマートフォンで呼び、到着したら降りる |

完全自動運転、安全性、法律など、解決すべき課題はまだ多くあります。それでも、この仕組みが普及すれば、自分の車を所有する必要は小さくなっていくはずです。

移動時間が、自分の時間になる

今は運転中、運転に集中しなければなりません。運転から解放されれば、移動中に本を読む、仕事をする、映画を見る、休むといった使い方ができます。移動時間が自由に使える自分の時間になることに、自動運転の大きな価値があると考えています。

もちろん、運転そのものや、スポーツカーを所有する喜びを大切にする方もいます。どちらが正しいかではなく、自分にとって何が豊かなのかが大切です。

次回:自動運転はビジネスをどう変えるか

多くの人が車を所有しなくなったら、自動車メーカーの販売台数、駐車場、自動車保険はどうなるのか。自動運転の普及は、さまざまなビジネスに大きな影響を与える可能性があります。次回の配信では、この点を取り上げます。

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