歯医者さんは最新技術の現場 ―エアタービン、口腔内スキャナー、CAD/CAMに見るものづくりと品質向上


治療の場であり、技術を学ぶ場でもある歯医者さん

私が通っている歯医者さんの先生は新しい物好きで、新しい機械や技術を導入するたびに、嬉しそうに見せてくれます。仕組みや導入コストについて技術談話をすることも多く、私にとって歯医者さんは、治療を受ける場所であると同時に、新しい技術を学べる場所でもあります。

痛みが減った理由は、複数の技術の組み合わせ

かつての歯科治療には、キーンという音と、歯に伝わる振動による痛みのイメージがありました。しかし最近は、治療を受けてもほとんど痛みを感じなくなっています。

その理由の一つが麻酔技術の進歩です。非常に細い針を使う、麻酔液をゆっくりと一定の速度で注入するといった工夫により、麻酔そのものの痛みも軽減されています。

もう一つが歯を削る技術です。歯科で使われるエアタービンは、圧縮空気で小さな工具を高速回転させる機械で、その回転数は1分間に30万〜40万回転に達します。普通に走行している自動車のエンジンが1分間に約2000回転ですから、その150〜200倍の速さです。私自身、以前エアタービンを開発し、その技術を応用した機械を作っていました。

ただし、高速で回転させれば痛くなくなるという単純な話ではありません。回転の安定性、ダイヤモンドなどを用いていると考えられる先端工具の技術、冷却技術、そして麻酔技術。これらが組み合わさることで、痛みの少ない治療が実現しています。まさにものづくりそのものです。

口腔内スキャナーとCAD/CAMによる歯の型取り

従来の歯の型取りは、ゴム状の材料を口の中に入れ、固まるのを待ってから、その型で石膏の模型を作る方法でした。

今回私が体験したのは、小さなカメラのような装置で歯を撮影するだけの型取りです。時間は30秒から1分ほどでした。これは口腔内スキャナーと呼ばれる技術で、歯の形を3次元のデジタルデータとして取り込みます。

そのデータを使い、コンピューター上で詰め物や被せ物を設計するのがCAD(Computer Aided Design、コンピューター支援設計)、設計データをもとに専用の加工機で材料を削り出すのがCAM(Computer Aided Manufacturing、コンピューター支援製造)です。製造業でおなじみのCAD/CAMが、歯科医療の現場でも使われています。

さらに、AIを使って歯の形を認識したり、被せ物の設計を支援したりする技術も進化していると、先生から伺いました。手作業で型を取っていた工程が、撮影だけでデジタルデータになる。大きな進歩です。

最新技術を品質向上につなげる

AIや半導体、宇宙開発といった技術革新が注目されがちですが、歯科医院のような身近な場所でも、機械工学、電気工学、材料工学、デジタル技術が活躍しています。最新技術は、私たちが気づかないうちに生活の中に入り込んでいるのです。

そして、技術の進歩によって患者の負担が減り、治療の品質も向上していく。これは La quaLab が掲げる「最新技術を品質向上につなげる」という考え方そのものです。

La quaLabについて

La quaLabでは、大学で培った研究開発の知識や経験を生かし、企業の技術開発や品質向上を支援しています。新しい技術を実際のものづくりにどう活かすのか。そうした課題をお持ちの企業の皆さま、本サイトのお問い合わせからお気軽にご相談ください。

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