京都の半導体・エレクトロニクス産業集積 ― デバイスから製造装置、後工程、電子部品、計測技術まで


京都というと、清水寺や祇園に代表される歴史的な街並みや、インバウンド観光客でにぎわう国際都市というイメージが強い方が多いのではないでしょうか。実際に京都を訪れると、ホテルや観光地で外国人観光客の姿が目立ち、飲食店の看板も英語表記が増えるなど、観光都市としての顔を強く感じます。しかしその一方で、京都は半導体・エレクトロニクス分野において、デバイス、製造装置、洗浄、後工程パッケージング、電子部品、計測・分析技術という、ものづくりのほぼ全工程をカバーする企業が集積する、世界的に見ても稀有な産業拠点でもあります。本稿では、京都に本社を置く主要企業を、半導体・電子機器の製造プロセスの観点から整理します。

半導体デバイス――ローム

京都を代表する半導体メーカーがロームです。IC(集積回路)、トランジスタ、ダイオードといった電子回路の基本部品を手がけるほか、近年は電気自動車などで需要が高まっているSiC(炭化ケイ素、要確認)を用いたパワー半導体でも知られています。パワー半導体は、電力変換の効率を左右する重要なデバイスであり、EVをはじめとする電動化技術の進展を支えています。

半導体製造装置・半導体洗浄――SCREEN

半導体の製造工程では、シリコンウェハーの表面を高い清浄度に保つことが不可欠です。SCREENは、こうした半導体洗浄を担う製造装置を世界中に展開する企業です。ウェハー表面の微小な汚染やパーティクルの除去は、デバイスの歩留まりや信頼性に直結するプロセスであり、半導体ウェット洗浄の技術的な重要性が改めて認識される分野といえます。

後工程・パッケージング――TOWA

半導体チップを樹脂で封止するモールディング装置で知られるのがTOWAです。前工程でウェハー上に作り込まれたデバイスを、実際に使用できる製品として完成させる後工程・パッケージング技術は、性能・信頼性・小型化のいずれにも関わる重要な工程です。

電子部品――京セラ・村田製作所

セラミック技術を基盤に発展した京セラ、そして京都府長岡京市に本社を置き、積層セラミックコンデンサー(MLCC)で世界的に知られる村田製作所も、京都を本拠とする電子部品メーカーです。MLCCをはじめとする受動部品は、スマートフォンから自動車まで、あらゆる電子機器に不可欠な基盤部品として広く用いられています。

計測・分析技術――堀場製作所

「はかる」技術を核とする堀場製作所も京都に本社を置きます。計測・分析技術は、半導体プロセスをはじめとするものづくりの品質管理・工程管理を支える基盤技術であり、デバイス開発から製造現場まで幅広く活用されています。

京都に産業集積が形成された背景

半導体や電子機器は、材料、デバイス、製造装置、洗浄、パッケージング、電子部品、計測といった多様な技術が組み合わさって初めて一つの製品として成立します。京都には、こうした工程の多くをカバーする企業が集中しているという点で、産業集積として興味深い特徴を持っています。その背景の一つとして、京都に古くから根付く、材料にこだわり細部まで丁寧に作り込むものづくりの文化が挙げられます。伝統工芸と半導体技術を直接結びつけることはできませんが、独自の技術を磨き、他にはないものを作り上げていくという姿勢には、共通する精神があると考えられます。

まとめ

京都は、国際色豊かな観光都市であると同時に、半導体デバイス(ローム)、半導体製造装置・洗浄(SCREEN)、後工程・パッケージング(TOWA)、電子部品(京セラ、村田製作所)、計測・分析技術(堀場製作所)と、ものづくりの各工程を担う企業が集積する産業拠点でもあります。観光と最先端技術という一見異なる二つの顔が共存している点に、京都という街の奥深さがあります。

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要確認事項

– 「SiC(炭化ケイ素)」を用いたパワー半導体という記述は、音声中で「単価ケース」と聞こえた箇所を、直前の文脈(電気自動車向けパワー半導体)から技術的に妥当な用語として補正したものです。
– SCREENの正式な法人名称(株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ等)については、音声内の発言に基づく記載であり、外部情報源では確認できていません。