高知県と半導体産業のつながり――カシオ創業者の出身地から現在の製造支援企業まで


高知県は、かつおのたたきや坂本龍馬、桂浜に代表される観光地として知られています。しかし、電卓・時計メーカーとして有名なカシオ計算機の創業者の出身地であり、TFT液晶デバイスの一貫生産拠点、そして半導体製造装置のメンテナンスを担う企業が拠点を置く土地でもあります。本稿では、高知県と半導体産業の関わりを、歴史と現在の両面から整理します。

カシオ創業者と高知県南国市

カシオ計算機の創業者の一人である樫尾忠雄氏は、高知県南国市の出身です。「カシオ」という社名自体、創業者一族の姓「樫尾」に由来します。

高知県と同社の関係は、創業者の出身地にとどまりません。南国市には生産会社「高知カシオ」が設立され、1994年には業界に先駆けてTFT液晶デバイスの一貫生産工場が稼働しました。

TFT液晶は、画面上の一つひとつの画素を、トランジスタと呼ばれる半導体素子で個別に制御して映像を構成する技術です。計算処理を担う半導体チップとは異なる部品ですが、いずれも半導体技術を基盤としている点は共通しています。高知で生産された液晶ディスプレイは、当時、デジタルカメラ・携帯電話・ビデオカメラなど、世界各地の製品に採用されていました。

役割を終えた半導体工場と、地域産業の歴史

高知県香南市には、かつて半導体工場(旧ルネサス高知工場)がありました。同工場は2018年5月に閉鎖され、跡地は現在、衛生資材などを手がける丸三産業が活用しています。

半導体関連のニュースは、新工場の建設や投資計画に注目が集まりやすい一方、地域の生産を長年支えてきた工場が役割を終える動きも実際には起きています。国内では、これまでに数多くの半導体工場が生産を終了してきました。地域の産業を正しく理解するためには、新規投資だけでなく、これまで積み重ねられてきた歴史にも目を向ける視点が欠かせません。

今も続く、高知と半導体産業のつながり

高知県香南市には、半導体製造装置に使われる真空ポンプのメンテナンスや、排気ガス処理装置の再生を手がける企業があります(社名は音声から特定できず、要確認)。真空ポンプは、製造装置内部の空気やガスを吸い出し・排出するための機械であり、半導体製造では装置内部の環境をきわめて精密に制御する必要があるため、こうした機械を常に正確な状態に保つメンテナンスが欠かせません。完成した製品からは見えにくい仕事ですが、全国の半導体メーカーの製造現場を支える重要な役割を担っています。

まとめ

高知県は、観光地としてのイメージが強い一方で、カシオ創業者の出身地、TFT液晶デバイスの生産拠点、そして現在も半導体製造を支える企業が拠点を置く土地でもあります。地域の産業を理解するうえでは、こうした過去と現在の両方の歩みを知ることが重要です。

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